山猫・弓削一徳の動くところたちまち血しぶきがあがる。だがそこに陰湿感はない。

ブラジル東北部の小さな町エクルウは2百年も前からアンドラーデ家とビーステルフェルト家に支配されている。

わたしは25歳の青年で、丸の内にオフィスのある貿易商S・K商会につとめていた。

マニキュアで窓ガラスに描いた花吹雪を残し、夜明けに下駄音を響かせアイツは部屋を出ていった。

「特急『つばめ』で、恐ろしいことが…」不可解な匿名の手紙が警視庁にとどいた。

矢代と由美は、月刊「新しい風」の取材で訪れた清里高原で、黒い紐で絞殺された、女優の小池祐子の死体を発見した。

筋骨たくましい犯罪常習者、それがフレディだ。

1通の書き置きを残し、25年前に姿を消した幻の画家、リチャード、チャントリー。

3代目沢村田之助の生涯。

タロット占いの二階堂日美子は、友人の皆川昭子の家に招かれたが、昭子は何者かに刺し殺されていた。

美術商・稲垣平造と名のる毒蜘蛛のような怪紳士の正体は?女事務員募集の3行案内にひかれて稲垣のもとを訪れた里見芳枝は、その日から消息を絶った!稲垣のために殺された芳枝の死体は胴・足とバラバラに石膏細工の中にとじこめられてしまった!芳枝と瓜二つ

愛之助は猟奇の徒であった。愛之助の大学以来の友に品川四郎という通俗科学雑誌社を経営する男があった。

探偵小説の一大金字塔!不滅の足跡を遺す巨星・江戸川乱歩の長編傑作!しばしの休養のため湖畔のホテルにやってきた名探偵明智小五郎は、東京の大宝石商の娘玉村妙子と知り合ったが、それが玉村家の怪事件へかかわり合うことになる始まりだった。

南アルプス山麓を登山中のハイカーが人間の白骨死体を発見した。死体は鼠に喰われたものと推論された。

これだけは伝えておきたい。おまえには私がいる。

美貌の丸の内銀行OL、中上川良子は創立者の総領娘。だが夜は壺振り女博徒。

…自分がどうしてこの事件に、とっくに刑事を辞めているにもかかわらず、こんなに熱中するのか水島自身にも分からない。

遠い過去から忍び寄る、復讐者の影!逃げ続ける理由も、生き延びなければならぬ理由も、わからないまま、負け犬のままで斃れるのか!書き下ろしサスペンス長編。

静かな出会いと別れの諸相。

自然と本能のまえにとまどう異星生物のライフサイクルを、斬新なスタイルで描き、1973年度ネビュラ賞に輝く表題作ほか、コンピュータによって他人の肉体とつながれた女の悲劇を通して、熾烈な未来社会をかいま見せ、1974年度ヒューゴー賞を獲得したサ

美人で天才調香師・佐々百合香が新興宗教・慈宇教団の祈祷室で殺された。そばには、意味不明の手相図があった。

1990年、中南米にデフォルトの波が起こり、世界経済は恐慌へと突入。

恐慌後、ソビエトのIMF加入など、世界には奇妙な動きが相次いだ。

奇怪な四重殺人が起こった孤島を、ミステリ研のメナバー7人が訪れた時、十角館に連続殺人の罠は既に準備されていた。

平凡な男の部屋に闖入して来た9人の家族。

1回抽鉄をひくと120発の弾丸が1分間に発射される。―国防総省が開発したマシンガンMG5。

1回抽鉄をひくと120発の弾丸が1分間に発射される。―国防総省が開発したマシンガンMG5。

仙台で、幼い頃別れた母との再会を果たした西尾えりかは、勧められるままに、近郊の温泉への小旅行に参加した。

探偵稼業は女には向かない。ましてや、22歳の世間知らずの娘には―誰もが言ったけれど、コーデリアの決意はかたかった。

第2次大戦中、母と妹を惨殺した元少尉・加賀山が与党の有力政治家になっていることを知った玉城正一は、怨みを晴らすべく屋敷に忍びこんだ。

車椅子の老富豪は、そこだけが生命の火を燃やしているような両眼を、ひたとスペンサーにすえた。

走れ、Z2。風を切れ。

無意識のうちに実業家の妻を突き落とし、死なせてしまったお手伝いの娘。

芦屋の古びた洋館で新婚初夜に惨殺された夫。半狂乱の妻は、庭のヴィーナス像の仕業だと証言するが…。

浦上早希子は32歳になる団地住いの気のいい主婦である。

アラブ過激派を狙うユダヤ人報復グループの若者2人が、ローマ空港で虐殺された。

〈シブミ〉とは、ありふれた外見の裏にひそむ洗練、日本的精神の至高の境地をさす。

南野マリン、24歳。警視庁捜査一課の美人刑事。

男はいつも、フォード・ゼファーに乗って現れた。

キングズマーカムの町始まって以来の大イベント、8万人を集めた野外コンサートは無事おわった。

「私がヴァンパイアとなったのは、25歳の時、1791年のことだ…」彼はそう語りはじめた。

FBIワシントン支局は、大統領暗殺の情報を得た。

冴えない初老のビジネスマンの、判で押したように繰り返す毎日の生活の中に、突如として割り込んだ一大椿事を描き、そのおちに気付いた時、読者を抱腹絶倒させずにはおかない「破られた習慣」など12編。

来日したエラリー・クイーンにもらった貴重な色紙の紛失事件。謎のダイイング・メッセージや崩せないアリバイ。

ベトナム帰還兵キャルヴィン・ドゥガイは怒りに煮えたぎっていた。

シベリア西部の油田・石油精製施設がイスラム教徒の襲撃で潰滅的打撃を受けた。

ソヴィエト軍精鋭部隊の西ドイツ侵攻、そしてアイスランドへの奇襲上陸によってG‐I‐UKラインを押えられたNATO軍は思わぬ苦戦を強いられるが、反攻のキー・ポイントは意外なところにあった。

「ラ・カーサ」の事件から15カ月―精神コンサルタント、アレックスの前に再び事件が起こった。

鬼才・都筑道夫が、十五年ぶりに書き下ろした本格長編パズル小説。

貧乏なオレは考える。ラクに金を手に入れたい。

大手出版社の社内で、有能だが上司と対立していた女性編集者が殺された。

独信寮の管理人をする勝子のもとに、ある日突然妹が訪ねてきた。だが、その妹は勝子の留寸中に何者かに撲殺されてしまった。

ピラミッド、ナスカ地上絵、極移動、ノストラダムス……世界のあらゆる超常現象を呑み込む「総門谷（そうもんだに）」とはいったい何か！？UFO目撃事件を発端に、仲間とともに敢然と謎に挑み、地球征服を企てる「悪」に立ち向かう者こそ、若き超能力者・霧神顕（きりかみあ

ホテルで未亡人・高坂昌子が情事の直後、絞殺された!重要容疑者にされた不倫の相手・笹村慎介は、家庭も職も失う。

最近進学率が落ちてきた女子高校小町学園は、一種の刺激剤として男子生徒を入学させることにした。

スターヴェル屋敷が焼失し、主人と召使夫妻の焼死体が焼け跡から発見され、金庫の中の紙幣が大量に灰になるという事件が起こった。

短い夏も終わり、例年より早い雪に見舞われた北アルプスで『赤岳ヒュッテ』の管理人、溝口由吉が何者かに殺された。

金髪に縁取られた整った顔、すらりとした身体、そして溢れる知性―そんなサラ・ウイッティカーに、ホープは一目惚れしてしまった。

雨の真夜中。

大金を盗んだ紳士泥棒がつかまった。だが金の隠し場所は白状しない。

編集者・由紀子の愛する担当作家が殺された。誰にも知られていない婚約の約束があったのに…。

首相公邸に、日本国民1億2000万人を誘拐した、身代金5000億円を支払えという脅迫電話が入った。

ビジネスマンに人気のある大阪行き寝台急行「銀河」で女が殺された。容疑者は警視庁・十津川警部の同級生。

代打専門の田村がレギュラーになれたのは日下令子のおかげだった。

わたしは幸せすぎる。

神戸、六甲山の異人館で外国人宝石商の惨殺死体が発見され、ブラック・ファンタジーと名づけられた黒真珠が消失した。

小説家人見広介は、自分と瓜二つの大富豪菰田源三郎が病死したのを幸いに菰田になりすまし、莫大な財産を使って沖の島に長年の理想のパノラマ島を作りあげた。

突如!大東京にその姿を出現させた“黄金仮面”とは!?上野公園で開催された産業博覧会に出品された日本随一の大真珠、その値5000万円といわれる「志摩の女王」をねらう黄金仮面。

無表情な能面のような黄金仮面、その口から顎にかけてひとすじタラリとまっ赤な液体が流れる。

初秋の塩原温泉、塩の湯A旅館で世にも奇怪な毒薬決闘が行なわれんとしていた。

九州の西岸にあるS市の旧家大牟田家のあるじ、子爵の敏清は、当時18歳の美女瑠璃子を妻とし、親友川村義雄と三人でしあわせな日をおくっていた。

男たちの喝采の中で、黒ずくめの衣裳を取り去り、輝くばかりに美しい肉体を見せた暗黒街の女王。

神出鬼没!大胆不敵!気の入った宝石、美術品は、公然と予告したうえで略取する手口の鮮かさ。

戦後も40年余りたち、鳥居甚一の許に差出人不明の手紙が届いた。

雨の横浜・紅葉坂で、貿易会社の社長が殺された。

風雪急を告げる中国大陸で、美しい亡命ロシヤ人の娘ソニヤと燃えるような恋に落ちた青年の夢は、“組織”の巨大な魔手によって無残にも打ち砕かれた。

「自殺の名所」である東京近郊のマンモス団地「高村」。8月の早朝、1人の男が、植込みにうつ伏して死んでいた。

19××年、人類は戦争をはじめ、何千発かの核爆発を起こして地球全体が崩壊し、全人類は死滅した。

歳月は、人を恋う心の炎を消してしまうのか、あるいは、さらに激しく燃えたたせるものなのか。

元禄時代の江戸を舞台に、ルパンと盗賊団の死闘!―お話かわって現代。

信州のメルヘン合衆国と北陸のめるへん共和国。似た名前が縁で、JR初の“国際特急”が両ミニ独立国を結ぶことになった。

京都のホテルで、ディナーショウのために東京かりきていた、食品会社の社長夫人が殺された。

大文字で賑わう京都の夜、鴨川べりを夫の陽介と歩きながら、野上美也子は幸せで一杯だった。

大陸侵攻の戦は、すべてが徒労であった。怨みと不満は日本中に満ち、朝鮮は焦土と化して、飢えと寒さが民と兵を襲った。

堺の富と政治手腕をうしろ楯に持つ「水の人」小西行長と、自分しか頼れなかった「土の人」加藤清正、二人は出発から違っていた。

経営難に苦しむ呉服商角屋は隣家からの出火で、店舗と仕入れたばかりの商品を一夜にして失った。

限りのない喪失と再生。

彼らの求めたものの多くは既に失われてしまっていた。

暗い水底で息を潜める、巨大な気配。 不可思議な力に導かれた男女の機微に迫る。

太平洋戦争中から終戦直後にかけて、著者は〈日本婦道記〉と題した短編を発表し続けた。